育児に家事とわいわい楽しく生活を送っていますが、これ、育休とってなかったらどうなっていたんだろう。考えるとゾッとします。
兎に角取得できて、本当に幸せです!
本記事では、僕が育休制度を無視しなかった理由、および取得の実際の流れについて紹介していきます!
男性の育児休業取得率
理由に行く前に日本での現状を確認しましょう。
厚生労働省の令和2年度雇用均等基本調査により(2021年7月)
育児休業の取得率は女性が81.6%、男性が12.65%と公開されました。
男性は前年から5ポイント以上の上昇となりました。
増加傾向であることはとても喜ばしいことですが、それでもまだまだ取得率は低く、取得期間は短く、取得を希望している方が希望通りに取得できていないのが現状かと思います。
詳細は厚生労働省のHPより⇒令和2年度雇用均等基本調査|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
また、令和3年6月1日には育児・介護休業法が改正され、令和4年4月1日より段階的に施行されます。
詳細は厚生労働省のHPより確認ください⇒育児・介護休業法について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
これにより、一層取得したい方が希望通りの育休を取得できるようと願っております。
育児休業制度を無視しなかった理由
その理由とは・・・
なんじゃそりゃ。となるかもしれませんが、千葉市では同様の取り組みがありますね。
千葉市職員は男性の育休取得率が非常に高く2018年度時点で30%を超えていますが、子供が生まれた男性職員は「なぜ育休を取得しないか」を申請する必要があります。
僕の中でもなぜ育休を取るのか、という問いは個人的にどこか違和感があって、
なぜ有給休暇を取るのか?と聞かれている感覚です。
2019年の労働基準法の改正により5日の有給取得が義務となる以前は、普通の感覚だったかもしれませんが、今ではなぜ「有給休暇を取るのか(圧力)」と聞いてくればブラック企業だ、という感覚がありますよね。
つまり、当たり前に利用できる制度を当たり前に利用した。それが普通になってほしいという思いがあったのかなと今振り返ると思います。
法改正により企業側としても無視できない制度になっていきますので、当たり前になっていってほしいと思います。
取らない理由・取れない理由
そうは言っても、男性は育休が取得しにくい、こう考えてしまう人がまだまだ多いでしょうし、数値を見てもある程度は真実なのだと思います。
今回は取得できていない原因を、“自身に原因がある取らない理由”と“周囲に原因がある取れない理由”にわけて例を考えていきたいと思います。(勿論あくまで一例です)
取らない理由
取らない理由の例をいくつか挙げてみましょう。
- 育児休業制度を知らない
- 取りたいと思っていない
- 取ることができると思っていない
- 取得までのプロセスを知らない
- 取得までのプロセスを踏む意思がない
これらを総じて育児に対しての当事者意識がない・やる気がない(他に重きを置いている)、と言い換えても良いかもしれません。それが悪いことだとは思いませんが、パートナーがそれを良くないと思っているのであれば解決すべきかと思います。
この1から5までをクリアできれば取らない理由はなくなっていくと思います。
それぞれを違う言葉に変えてみると
- 知る場に立ち会えていない。育児に興味がない。
- 育児より仕事等に重要性を感じている。パートナーに任せようとしている。
- 前例がないことはできないと思っている。会社に制度がないと勘違いしている。
- 調べる、手配等してまで取りたいとは思っていない。
- 昇進昇級が遅れることや育休後のキャリアに不安があり、それらを育児と天秤にかけた際前者の不安が勝つ。自分が抜けることでの業務負担が他者へいくことに罪悪感がある。
とも言えるかもしれません。
知らない、という原因についてはやはり勉強すること、これに尽きると思います。
書籍等を購入するのも良いですが、厚生労働省のイクメンプロジェクトにわかりやすく情報がまとめられています。
仕事でも法律の情報をまとめて人に教えるといったことをしますが、書籍とかで勉強するより、それを管轄している省庁の資料が一番わかりやすかったりします。(そうでないことも往々にしてありますが)
また、シカゴリラさん(←クリックでTwitter)等が運営されているパパ育コミュはリアルな声を知ることができます。僕も参加させていただいており、先輩パパさんに相談などさせてもらっています!
また、特に5の最後に書いた、罪悪感がある。これが日本の男性育休の大きな壁だと個人的には思っています。
“他のみんなが頑張っているのに、自分だけ幸せにはなることはできない”
こういった精神が少なからずあるのではと思います。自己犠牲こそ正義、的な風潮ですね。
幸せになることに後ろめたさを感じる社会なんて絶対嫌ですし、
自己が幸せでなければ、家族を幸せにできないですし、会社でも良いパフォーマンスを発揮できません。育休を取得することで、家族のことは勿論、会社のために色々と考えることもありました。この育休を通じて、会社にも良い影響を生み出せると今は感じています。
なので、育休を取得することに幸せを感じるのであれば、取得するべきなんですね。
また、みなが取るようになればその罪悪感も小さくなるでしょうし、早く当たり前になってほしいですね!
取れない理由
取らない理由がなく、取得を希望していても取れない場合もあります。
- 会社が育休取得に協力的でない
- 育児給付金のみでは金銭的余裕がない(個人事業主のため給付金がもらえない等)
- 家族に育休取得を反対されている
- 自分が休むことで業務に支障がでる(と考えている)
理由としては上記が考えられるのかなと思います。
4は会社からそう言われたのであれば、1と同じかと思いますが、2を除けばやはりしっかりと話し合うことが大事かと思います。
家族に反対される場合でも、その理由を解決する行動をとっていきましょう。
例えば、「家にいてもあなたは家事もできないし邪魔だから」と反対されているのであれば、取得までに信頼される努力をしましょう。
家事であれば、夫婦間でタスクを可視化し、やり方を統一する共通認識化が大事だと僕は考えています。家事の共通認識化については下記をご参照ください。
2の金銭面が理由であれば、給付金は半年間は額面67%となり、社会保険料が控除されるため手取りは8割くらいとなり、ボーナスも手取りが増えます。
下記記事に子育てにかかる費用を自動で計算してくれるエクセルシート(スプレッドシート)を無料公開していますので、参考にしてみてください。
また、これを機に、家計やお金の管理を見直して、本当に金銭的に厳しいのか判断するのも良いかもしれません。
実際の取得の流れ(黄昏ほーむの場合)
まず僕の育休の取得期間ですが、
パパ休暇を利用し2回に分け約7か月間となりました。
パパ休暇とは:
男性の生後8週間以内の育児休業は1回目にカウントされず、もう一度取得できるというものです。
そのため、私は6月末の出産予定日から8週間を一度目、お盆明けから9月末までは会社に復帰、10月から春まで2回目といった期間を取得しました。
なぜこの期間になったのかも含め取得の流れをおっていきます。
因みに僕の職種はコンサルで、僕が現場に行くことが仕事となるので、休むイコール必ず誰かが代わりにいかなくてはいけません。生産効率をあげる等で解決できません。
そういったこともこれまで長期取得者がいなかった理由かもしれません。
1.周囲への意思表示
僕は2021年6月末から育児休業を取得しましたが、育休を取りたいと同僚などに話していたのは2019年3月くらいからです。(妻にもそれくらいですね)
この時期から真剣に妊活を始めたのもあり、妊娠したら育休絶対取ります。と色んな人に話していました。
(ま、うまく妊娠できるかもわからないけど。笑 といった話もしていました。)
同僚はみな、いいね!応援するよ~と言ってくれ、早い内から味方を作れたと思います。
(事業所内で長期の男性育休取得者はいなかった)
そのため、妊娠した際はものすごく喜んでくれました。
2.上司への報告
安定期に入ってすぐ、妊娠と育休取得希望(1年間)の旨を報告しました。
育休取得の5.5か月前ほどです。
上司のチームリーダーにも育休を取りたいことは前から話していたので
「そっちか~、よかった!!おめでとう」と言われました。(退職の話かと思ったそうです笑)
上司から所長等へ報告していただきました。
因みに、僕の業務においても、担当の方とも良好な関係なこともあり、子供が生まれたら事業所内初の長期育休狙ってるんですよ~、その際はお手数おかけします。という話もしており、応援してもらっていました。
3.会社との面談 1
報告後、所長と面談を行い、お祝いの言葉をいただき
「1年間の取得期間を考え直してほしい」と言われました。
因みにこのときの具体的な期間の提案はありませんでした。
所長としては僕が抜ける1年間、事業所を問題なくまわしていく責任があるが、そのプランが思いつかない。とのことでした。
僕を評価してくれている裏返しでもあり、非常にありがたいですが、
というツッコミは口に出さず、
わかりました。家族とも相談してみます。と返答。
後日、知り合いの社長と育休について話す機会がありましたが、やはり働き盛りが1名抜けると正直きつい、とのこと。
経営者側としては、業績が悪い、最悪会社をつぶすことになると、そこで働く人、その家族みなが困ってしまう。それを守るのが僕の責任だから。とのことです。その意見もごもっともだと思いました。
4.家族会議・資料作成
妻に1年間は考え直してほしいといわれたことを報告。
これを機に、保育や復帰後のキャリアまで含めた二人の考えを整理しました(これはもっと早くにしても良かったと反省)。
結果、2022年4月に保育園に入園させることを決め、少なくとも妻は1年間ではなく春までの取得と決めました(妻側は1年間でもOKともらっていた)。
一方、僕がいなくとも仕事をまわしていくためには何が必要かをリスト化していきました。
・担当業務(属人化している業務)の引継ぎ案
→誰にいつまでにどのような業務を引き継ぐのか
→それによって生まれるメリット、発生するフォロー量等
・担当以外で僕がこなしている業務量(工数)
→事業所の年間工数の整理と繁忙期の抽出
【おまけ】
・育児休業制度の概要 2回取得のためのパパ休暇についてなど
・育休取得者がでることによる会社のメリット
上記をパワポにまとめました。
5.会社との面談2
お盆明けから9月末までに一度復帰することで、
・引き継ぎのアフターフォローを行い後輩に大口顧客の完全な一人立ちをさせる(合わせて属人化している業務の懸念など伝える)
・繁忙期に一度復帰し、上記のフォロープラス工数消化を行う
をメインに説明し、これ以上の期間は妥協できない旨を伝える。
個人的にはしっかりと会社のことも考えたつもりだったので、その意思は伝わったのではないかと思います。
わかりやすく解説をありがとう。
と言われ、会社でもう少し揉ませてね。とこの日は言われ終了。
6.会社との面談3・4
OKの返答をもらうまでに具体的な引継ぎ案の詰めの話等を行う日があり、それから別日に、提案した案で取得してくださいとの返答をいただく。
これが2月下旬なので、取得の希望を伝えてから承認をもらうまで1か月半でした。
7.人事とのやりとり
最初に人事に相談して、という取得の流れもあると思いますが、業務をよくわかっている自分の部署、事業所で理解をもらって取得した方が双方に気持ちが良いのかなと思い、こういった流れとしました。(人事は本社にしかない)
そのため、僕が提案した内容なども、人事から提案してくれるパターンもあるのかな、とも思いますが、まだまだ自発的に発言していかないと双方納得しての取得は難しいのかなと思います(会社によって大きく違うと思いますが)。
以降はオンラインで説明を受けたり書類のやり取りを行いました。
給付金のことなどの説明や、妻の体調を尋ねてくれたりとありがたかったです。
以上が僕の取得の流れとなります。
会社としては時間も多く割いて親身に話を聞いてくださり、協力的でした。
ただ、やはり業務をこなしていくという点を考えると、取得者も権利だけを主張して、会社側の負担を完全に無視するのはどうかな、と思うところです。
大事なのは取得の意思をしっかりと伝え、会社としっかりコミュニケーションをとることでしょうか。
育休中、男性ができることなどもこちらにまとめてみました。
ぜひ参考にしてください!